軸という言葉は、知識では誰でも知っていますが、本当の意味を知っているかとか、自分が出来ているかは別の話です。
特に武道、武術の世界で言われる、軸、体軸、中心軸、正中線、もしくはダンスで言うセンターなどは非常に難しいもので、
最近よく言われる自分軸というのも、抽象的であったりもするため、自分軸という言葉は分かっても、実際にはどれが自分軸であるのか分からないなど、色々難しさがあります。
札幌女性合気道の合気道の目的は、ダンスのように踊れるようになることが目的ではなく、人生に活かすため、人生をより豊かにするためですが、その中の一つの目標が軸作りです。
軸が出来てくればメンタルも安定し、楽なんだけど強い力が生まれて来ます。

札幌女性合気道では、中心軸、中心力の強化のために構えを行っている以外にも、軸があるかどうかの確認をするのに、
たとえば正座して、ペアの人に後ろから両肩に体重をかけて抑えられた状態から、膝立ちになれるか、といったことを時折行ったりします。
氣が入っていたり、軸があれば楽に膝立ちになることが出来るのですが、これが氣が抜けていたり軸がないと、余程体格差がなければ、全く起き上がれる気がしないなど起き上がれません。
私は女性が相手であれば、二人ぐらいに抑えられても楽に起き上がれます。
しかしいくら女性と言っても、しっかり押さえられると、かなりズシンと重みがかかるため、氣が抜けていたり、軸が無い状態では、私も全く起き上がれないのです。
この時、太ももの大腿四頭筋の力ではなく軸の力を使うのですが、スポーツでもそうしたことは無視して、
自分は大腿四頭筋を使うから大腿四頭筋を鍛えればいい、みたいな安易な発想になりやすく、その違いがプロや一流たちと、一般の人との違いでもあります。
この他には、立った姿勢で軸があれば、ペアの人が後ろから反って持ち上げるのではなく、真上に持ち上げた場合は、
体重に関わらず、不思議と重くて持ち上がらないのに対し、軸がないと持ち上がってしまいます。
この持ち上がってしまう状態とは、重心が上がり、地に足がつかないような感じであるため、メンタル的にも不安定になりやすい状態です。
一応説明すると、女性は腕の力で持ち上げようとしてしまいますが、腕の力では持ち上がるはずがないので、
腰を落とし膝を曲げ、腕を固定させた状態で、足の力を使って真上に持ち上げますが、それでも軸があれば真上には持ち上がりません。
ついでにもう一つ紹介すると、うつ伏せや仰向けで腰を持ち上げようとしても、軸があれば持ち上がりませんが、軸がないと腰で折れ曲がり腰が持ち上がってしまいます。

よく分からない抽象的なものは、自分が出来ていると思えば出来ている、自分が正しいと思えば正しい、自分に自信があれば合っている、といった判断になりがちです。
しかし自分の思考以外のもので確認することによって、軸が出来るとか、軸がある状態とか、本当の脱力とはこういうことなんだなとか、非常に分かりやすく、
また札幌女性合気道の合気道は、柔術的な技や自分の考えや、やり方、癖の延長ではなく、常識とは全く違う軸の力などを使うことによって、力を使わない技を勉強します。