最近、札幌女性合気道に来ている方からこんなメールを頂きました。
前回の稽古で「近づく」を教わりましたが職場で、近寄り難い職員さんに、思い切って近づいてみたところ、あっけなく受け入れてくれました。
これまでの私は、腰が引けていて、相手の方に気分の悪い思いをさせていたのだなぁと思いました。
人に対する恐れを持っていると、どうしても距離感が遠くなったり、深く踏み込むことが出来ませんが、今はそうした人が多いでしょう。
何か傷付いたりした時には、一時的に距離を置くようなことは必要でも、いつまでも、またいつも相手と距離を取り続けることは、自分を守っているようで、自分を守れなくしてしまいます。
昔の剣の教えで、
「切り結ぶ 太刀の下こそ地獄なれ 一歩踏み込み入れば ここは極楽」
という和歌があり、普通敵が日本刀を切り下ろして来た時、とても怖くて中になど踏みこめませんが、踏み込むべき時に踏み込まず、またそこから逃げようとすれば、
その位置では斬られてしまうため地獄となり、中にさえ入ることが出来れば、極楽の世界だという意味や教えです。

これは剣だけではなく、人づき合いも全く同じことで、踏み込む事さえ出来れば、極楽の世界になりますが、それが怖いから折角いい出会いやチャンスがあったとしても、
それをダメにしてしまったり、癖で当たり前でやっているために、不快な思いをさせてもそれに気づかず、自分に返って来たり、
遠巻きで見ているだけでは誤解もしやすく、誤解したとしても踏みこめないため、誤解を解けずに、自分は嫌われているなど自己解釈でまた離れてしまいます。
また今はお互い嫌いあってもいないのに、自分は嫌われているなんて思うことも多いのではないでしょうか。
メールくれた方には、初めて教えたことではなく、今までにも何回も教えて来たことで、今回新たに点と点が線で繋がったり、気付きを得たと思いますが、
カルマは一回教えて貰っただけで、克服出来るものではなく、何度も何度も教えて貰ったり、合気道などリハビリみたいな感じで少しずつ慣らしたり、
もしくは自分と向き合い、自分を許すことが出来れば、大丈夫になっていきますが、そのためには少しだけ勇気が必要です。
それには今のままじゃ嫌だなとか、もっと前に進みたいと思えれば、勇気も出せます。