土曜日の合気道の稽古では、回旋の極意を教えたのですが、これが出来なければ、構え、正面打ち、横面打ち、前方回転受け身、一教、入り身投げ、天地投げ、天秤投げなどの技など、全てが出来ません。
逆にこれが出来れば、全てが出来るようになり、そうしたものが基本で極意、コツです。
しかし手品のトリックやコツを教わっても、練習しなければ直ぐには出来ないように、武道の基本、極意、コツにしても、
教われば誰でも直ぐ出来るようになれるものではなく、練習しなければ出来るようにはなりません。
ただそれが分からないと、何十年稽古したとしても、その稽古だけはやらないため、一生出来るようにはなりませんが、
真面目に稽古すれば、年齢、体力、運動能力に関わらず、誰でも出来るようになる、上達出来るというのが、武道、基本、極意、コツの世界です。
極意の極意にしても、殆ど直ぐには出来ていませんでしたが、それは当たり前のことで、またシンプルなことだから簡単そうなんだけど、
なぜか不思議と出来ないこと、また出来ていないことに気付いたこと、体の奥深さ、面白さに、合気道の稽古に来ていた人たちは喜んでいました。

今は何でも直ぐ出来るものが喜ばれ、難しいものは避けられる傾向にあります。
また折角中3になって先輩になったのに、高校に進学してまた一から後輩をやる、出来ないことを学ぶ、みたいなことも好きではないかもしれませんし、
普段ストレスもあったりすれば、難しいことよりも、まずストレスを発散できるような、カラオケの様なことも必要になってきます。
ただカラオケは楽しいし、どんな人でも誰でも出来たり、誰かに迷惑をかけるものでも、悪いものでも全くありませんが、それと歌が上手くなる、高音を出せるようになる、
横隔膜のビブラートをきかせられるようになる、というのは全く別な話のように、学びや気付き、目覚め、上達というのは、
必ずしも楽しいことばかりではなく、難しいこと出来ないこととも、向き合わなければならないことが出て来ます。
しかし出来るようになった時の喜びや、達成感は格別です。また今までの次元では悩まなくて済むようになるし、自分でも変われたという自信がついたりします。
そのため誰しもいつかは向き合い、過去の自分を越えていかなければなりませんが、夏休みの宿題は最終日にやるとか、テスト勉強は一夜漬けでやるタイプとか色々なタイプがいたり、
「今はまだもう少し眠っていたいから、誰も起こさないでくれ」という人もいるなど、それぞれのタイミングになってきます。
合気道もストレス発散が目的ではなく、学びなどが目的の合気道であれば、バリヤフリーの道ではないため、時には難しいこと、大変なこと、向き合わなければならないことなど、
色々な障害も出て来ますが、目覚めのタイミングが来ている人は、そうした道を進んで新たなことを学びぶことで、気付きを得たり、目覚めて行くことが出来ます。